溶け合って
ひとつのものになるまで
ぬくもりを分けあっていたい
生きてるって それだけで
せつなくさびしいものだから
あなたを愛する人間が
ここにいるってつたえたい
いまうまれでたこどもの
けがれのないてのひらで
この世を統べることができたら
世界はきっと平和になるだろう
あのつぶらなひとみで
大切なものは何であるかを
いつもしっかりとみているから
大人は嘘をつくことができないだろう
簡単なことはいつも
大人がむずかしくしてしまう
余計なものをくっつけて
こころのメガネを曇らせてしまう
ごめんね 坊やたち
みんなもきっといろいろあって
迷路に迷いこんじゃっているの
ほんとうはみんなも
こどものくにからきたんだよ
ほんとうはみんなにも
かえりたい場所があるんだよ
こどものこころでなければ
かえることのできない場所
いちばんちかくて遠いくには
いつもわたしたちのこころのなかにある
ゆるされたい ゆるしたい
ゆるし合っていたい
ひとは
間違いやすい生きものだから
渇いていたこころに
潤いをあたえてくれた
まごころは時をこえて
いま私のこころに届く
ひかりのようにつらぬいて
私のこころを照らしてくれる
素朴なことばの中にある
人間のやさしさにいま触れた
移りゆく夢のまにまに
報われぬ愛を何度も抱き 逃れ
いつしか私は孤独と夜を共にしていた
ただ明日の詩の輝きだけを心に願って
今宵もまた ひとり心を砕いている
こうして時間の経過だけが
容赦なく思い出を摘み取っていくが
落ちては拾い 掬っては投げ
自室という名のせまい宇宙の闇に溺れて
今宵もまた 外界との一切を遮断する
私はもう一度はじめから
やり直さなければならなかった
幾多の夜々をすぎて
いま再び胸の奥の扉をあけて
さまざまな因習を取り払い
たそがれゆく道の上に佇む
そして 費やされた時間の隅々に眠る
嘆きと憂愁のあいだに身を沈めて
うつろう精神の襞のなかを
静かにふかく分け入っていく
おお わが詩神よ
わたしはもう かつてのような
焦りを抱いてお前を求めはしない
わたしを必要な時にだけ
そっとわたしを揺り起こすがいい
気まぐれにやって来るのには
理由があってのことだろうから
わたしはお前を一から百まで信じよう
この世のあらゆる事物から離れて
心から お前のすべてを受けとめよう
夜更けてひとり
私は人生の意味を噛みしめる
そういう星回りであることも知っている
ならば 甘んじて受けとめよう
私の人生は
私一人しか生きられない
もはや透徹した老いた心で
この世の岸辺へと辿り着くために
燃えるような
相手を想うきもちが
ぶつかりあうような
熱いくちづけ
頼りない か細い身体をあずけた
私のなかの 女が泣いている
夜の静寂にひろがる
平らかなこころ
創作のためにだけ
生きてみたいとおもう
瞬間がよぎる
きれぎれに
思い出の頁をめくる
呻吟している 小さき者よ
帰らぬひとを想って
泣いているのか
忘れ得ぬ者に出逢えたことを
よろこびにして刻み込め
そのたましいの 奥深くに
美を追求するのなら
かぎりなく挑戦的に
退化するのではなく
進化してゆけ
諫めるようなまなざしで
いつも見ていて欲しい
あなたにだけは
さらけだせる
この人生劇場
あなたがくれた
黄楊の櫛
見知らぬ町の宿場の隅で
夜風に吹かれて
髪をすく
昔を偲んで
恋に泣く
遠くで蛍が遊んでる
飴色に美しく輝く夕空
染み入る光だけを残して
消えていくのだ 今夜も------
ながい思索のあとに訪れる
ひらめきと 鮮明な映像を
具象化すればいいのだ
行きたいところに行き
思いきり笑って
長くも短くもない月日を
私は何のために謳歌しよう
運命は
二人を引き合わせることはあっても
惹かれあう二人が
結ばれることを許すことはなかった
ひねもす雨は降りつづき
街はひっそり別世界
洞窟の中に身を隠し
胸に秘密を抱いたまま
この世の末のはかなさを
一人しずかに想うとき
明日をみちびく言の葉に
そっと生命を吹き込みながら
無常の果てに見たものを
説き明かす人となっていく
限りある時間との闘いが
彼をいっそう孤高にさせる
いつも微笑んでいたい
あなたのミューズであり続けるために....
雨音に抱かれて眠る秋の夜半
人に 抱かれることも知らぬまま
召されゆく者に 私もなろうか
しずかな魂を
しずかな夜の部屋に休めて
失われた時間を取り戻す
この道は天に通じる道か
くり返し自問してみる
何かとたしかに繋がった時
ひとつの言葉が降りてきて
ひとつの詩がすがたを見せる
そして 食卓の前に着いた時
まるですべての食物は
詩を書くためのマナのよう
私はいったい何者なのか?
私は魂の労働者
名もなきひとつの意識体にすぎない
夢のような日々は
いつか夢ではなくなる
それでなければ
甲斐もない
澄みきるという
ただひとつのことに
苦心しているかなしい性(さが)
けれどもこころはこれほどまでに
激しく つよく求めている
美しき心情に追いつけずに
泥沼にうろたえる
この息吹のやるせなさは
ひとは
なにを求めてやってくるのだろう
人の波を渡っていく
わたしは 何故?
ここには何があるのだろう
目を凝らす
光をつかむ
加速しながら それは
次元の壁を飛び超えてくる
呼び合った時に 何かを
伝えたがっている
私は醒めていなければならない
おだやかなものはよい
おだやかなこころ
おだやかな場所
世界のすべてがそうなる時
人類の望みは達する
そうしてまた
別の星へと旅立つことだろう
まじりっけのなさを
ほめたたえよう
それはこの世の光であるから
追いかけるものがあるかぎり
私は走りつづける
それらは沈黙のうちにも
私を未来へと連れて行く
なぜ私は詩を書くのか
わからなくなる一瞬があるが
意味を追求するほど悩み始めるので
黙って胸の奥の
使命感に従うことにしている
それが正しいものであるかどうかは
神より他に
誰も知らない
忘れることのむずかしさを
教えてくれたひとがいる
何ひとつ消えない追憶は
鮮やかな 青春の記録
二度と戻らないからこそ
永遠に輝く
そう 私は信じきる